軸組金物工法の施工方法について
軸組金物工法の施工方法
軸組金物工法とは
結合部分はすべて金物を使用しています。
軸組金物工法を使用することで、木造軸組工法の耐震性・耐久性を改善することができます。
また軸組金物工法はオープン工法なので、各社独自のパネル工法と組み合わせることも可能です。
軸組金物工法、4つのメリット
これで部材接合の計算も可能
耐蝕処理済なので腐食の心配なし
ピンで止めるだけなので熟練工が不要
加工が均一で精度もアップ
軸組金物工法で使用する金物について
高精度・高強度を誇るHS金物とエンジニアウッドである集成材を組みあわせると、バランスの良い接合部を実現可能。
金物の特徴
01耐震性能アップ
HS金物を使用した接合部は、従来の木造軸組接合部に比べ、大幅な耐力アップを実現することができます。
また、地震時のずれも小さくなります。
02ホゾ付金物で下がり防止
HS金物の梁受け金物には、ホゾがついています。
このホゾは、木材の経年変化による金物の下がりを制御します。
03ホゾ内部にナット溶接済
ナット付梁受け金物のホゾ内部には、ナットがあらかじめ溶接されています。
施工時には、ナットを手で押さえる手間が省け、施工性が大幅に改善されます。
04耐震性の高いカチオン電着塗装
カチオン電着塗装は、自動車のボディー塗装にも使用されている高耐食塗装方法です。
隅々まで均等に塗布されます。
05施工性アップと短い工期
金物の取り付けはインパクトレンチを用い、施工は基本的にドリフトピンを打ち込むだけの簡単な方法なので、工期を短縮できます。
06木材の内部に隠れる金物
HS金物工法で使用する金物は、基本的に木材の内部に隠れます。従来の金物と異なり壁パネルを切り欠く必要がなく、金物を通じて外部の熱が内部に伝わりにくいので、住宅の性能を損ないません。
07在来工法との比較
従来の木造軸組工法の接合部と違い、HS金物工法の接合部は金物で接合されています。
これによって、木材の断面欠損が大幅に小さくなり、大きな耐力を確保することができます。
断面欠損の比較
従来の接合部では下記の左から2枚の写真のように断面欠損が大きいので、上部から荷重をかけた場合、大きく変形します。 HS金物工法は、金物を挿入するスリットと穴のみの小さな断面欠損です。
最大約4.3倍の強度
株式会社ストローグのHSSコネクタは、公的機関による科学的な強度試験で、安全性を実証しています。
また、接合部の部材同士のズレも小さく、同じ6トンの力が梁の上に作用した場合、在来接合部は約40㎜のズレが発生するのに対し、HSSコネクタでは約4㎜と、約10分の1のズレであることが確認できました。
在来軸組工法と軸組金物工法の比較
在来軸組み工法 | 軸組金物工法 | |||
---|---|---|---|---|
現場作業 | × | 現場で熟練工が部材接続部を加工するため、作業量は膨大。 | 〇 | 工場で一括してプレカットしますので、現場での加工は不要。 |
工期 | × | 上棟日に野地合板の施工は無理。 | 〇 | 上棟日に野地合板まで施工が可能。 |
強度 | × | 接合部の強度に大きなばらつきがあります。 | 〇 | 計算された仕口強度が確保されます |
自由度 | 〇 | 設計段階での自由な間取り、増改築も自在にできるのが在来工法の強みです。 | ◎ | トラス、門型フレームを使用することで、より自由度の高い住まいづくりが可能です。 |
精度・品質 | × | 無垢材や非乾燥材を使用すると「アバレ」「ワレ」など、品質に大きなばらつきが発生します。 | 〇 | 集成材および無垢の乾燥材などは精度が均一です。軸組金物工法で熟練工がいなくても精度の高い施工が可能です。 |
廃材処理 | × | 現場で出た廃材は工務店様で処理しなくてはなりません。その分のコストもかかります。 | 〇 | 現場で加工することがほとんどありませんので、廃材がでることもありません。 |
施主の満足 | × | 施主様が住み始めてからの細かいクレーム対応に苦労した経験はありませんか? | 〇 | 引き渡し後のクレームが激減します。 |
在来軸組み工法 | ||
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現場作業 | × | 現場で熟練工が部材接続部を加工するため、作業量は膨大。 |
工期 | × | 上棟日に野地合板の施工は無理。 |
強度 | × | 接合部の強度に大きなばらつきがあります。 |
自由度 | 〇 | 設計段階での自由な間取り、増改築も自在にできるのが在来工法の強みです。 |
精度・品質 | × | 無垢材や非乾燥材を使用すると「アバレ」「ワレ」など、品質に大きなばらつきが発生します。 |
廃材処理 | × | 現場で出た廃材は工務店様で処理しなくてはなりません。その分のコストもかかります。 |
施主の満足 | × | 施主様が住み始めてからの細かいクレーム対応に苦労した経験はありませんか? |
軸組金物工法 | ||
現場作業 | 〇 | 工場で一括してプレカットしますので、現場での加工は不要。 |
工期 | 〇 | 上棟日に野地合板まで施工が可能。 |
強度 | 〇 | 計算された仕口強度が確保されます |
自由度 | ◎ | トラス、門型フレームを使用することで、より自由度の高い住まいづくりが可能です。 |
精度・品質 | 〇 | 集成材および無垢の乾燥材などは精度が均一です。軸組金物工法で熟練工がいなくても精度の高い施工が可能です。 |
廃材処理 | 〇 | 現場で加工することがほとんどありませんので、廃材がでることもありません。 |
施主の満足 | 〇 | 引き渡し後のクレームが激減します。 |
軸組金物工法なら施工がスピーディーに
スピーディーになる理由
プレカットの精度の高さこそが施工がスピーディーにできる秘訣です。
プレカットってみんな同じでは?と思われるかもしれませんが、もし精度の低いプレカットを現場で施工しようとした場合を分かりやすく家をプラモデルに例えてご説明します。
もし… | プラモデルを組み立てるときに、できの悪い個体にあたってしまうと、ハサミで長さや角を整えたり、無理やりプラモデルの部品を押し込んで組み立てることになります。 |
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結果… |
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これと同じことが住宅現場でも起きてしまいます。
精度が高いから、現場での建て方もスピーディ!
朝10時には部材搬入して、夕方には躯体が完成してしまいます!
施工の流れ
ある真冬の晴れた日の実際の施工の様子を時間とともにご紹介します。
上棟前日
上棟前日に、土台、大引きを設置します。
当日8:00
1F管柱をはじめに建てます。勝柱には、金物がついています。
1F梁を建物内に搬入。まくばりをします。(段取り)
9:00
1F梁を入れていきます。
軸組金物工法は、金物が付いているところは、入れることができます。
10:00
1F梁が入り終わりました。
ゆがみを見て仮筋交を固定します。
10:00~11:30
2Fの床合板(プレカットされているもの)を敷きこみます。
11:30
2Fの柱を建てます。
13:30
2Fの梁(小屋梁)を床の上に置き、まくばりをします。
2Fの梁を入れています。
15:30
2F床に羽橋材を置きます。
16:30
母屋、棟木、登り梁を入れて、上棟終了です。
他工法との組み合わせも
門型ラーメン構法
必要に応じて、軸組金物工法と併用するオプション構法です。
壁を少なくすることができ、開放的な空間を計画することができます。
プランニングの自由度を拡大
01自由なプランニング
今まで、鉄筋コンクリート造や鉄骨造で計画されてきた大開口や狭小間口でのビルトインガレージを木造で計画することが可能になります。また、スケルトン&インフィルの考えに基づき、家族構成・ライフスタイルの変化に対応できます。
02高い施工性・加工性
「専用加工機」で精度よく簡単に加工できます。また、現場ではボルトを締めたり、ドリフトピンを打つだけの簡単な施工方法です。熟練した技術がなくても、短い工期で精度良く正確に施工できます。
03大開口・大空間
カーテンウォールなどの個性的なファサードを木造で実現することが可能です。
また、開放的な大空間を計画できます。
04耐震化
門型ラーメンフレームを耐震補強として使用すれば、建物の耐震化を図ることが可能です。
門型ラーメンフレームを使用すれば、安全性を損なうことなく、開放的で安全な建物を実現できます。